2022年8月14日(日)の日山キャンプ場。午前中は雲が多い空模様でしたが、安達太良山や吾妻連峰はもとより、さらに遠い会津磐梯山まで山容がくっきり見わたせました。猛暑のさなかとはいえ高地ならではの爽やかさもあり、午後にはキャンパーが集まってきました。そんななかで『空キャン! 2022 夏』の取材を行いました。
※ここで紹介しているキャンパーの皆さんには、岩代観光協会から個別に取材協力をお願いし、掲載の承諾をいただいています。問い合わせなどのご連絡は岩代観光協会へ、メールにてお願いします(iwashirokankou@gmail.com)。無断転載はご遠慮ください。
パパを中心にチームワーク抜群のファミリーキャンプ!
すでにテントを撤収して帰途に就くところだったが、快くインタビューさせてくださった大山純さん一家。ご夫婦とお子さん3人のファミリーキャンプだ(中2のひなたさん、小5の蒼天(あおい)さん、小2のちひろさん)。
日山キャンプ場は数年前に一度利用したことがあり、今回は2回目とのこと。日山キャンプ場の長所を尋ねると、「広くて区画がなく、自由なところ」という答え。
この日は下段サイト、ファイヤーサークルの近くにテントを張っていた。子どもたちがフィールドアスレチックで遊ぶにも最高の場所だ。
大山家では「キャンプに行くよ~!」のかけ声に、子どもたちはまず宿題をすませる。出発はそのあとだ。なんと感心なことだろう。宿題さえすませていれば心置きなくキャンプに没頭できるのはもちろん、いくら疲れて帰っても心やすらかだ。大人でさえ見ならいたい、子どもたちの立派な心がけにまず脱帽!
さらには、キャンプのポリシーが「キャンプサイトを離れるときには、来たときよりも美しくしておくこと」であると聞き、再び脱帽!(「来たときよりも美しく」のフレーズを私がはじめて耳にしたのは遥か昔、ガールスカウトのキャンプだったか…) まさに野外活動家の王道を行く大山ファミリー。家庭教育にも一本、筋が通っている印象だった。
ファミリーキャンプのハイライトは「焚き火、BBQ、そして外でごはんを食べること!」。
昨夜のメニューは焼き肉で、子どもたちはマシュマロ焼きでおおいに盛り上がったという。
「みんながいちばん好きなキャンプごはんは何?」と聞くと、「パパがつくるアヒージョのパスタ!」と声をそろえる。なかなかのグルメだ。
大山家こだわりのキャンプギアは、パパ手作りのキャンプ用テーブル、スノーピークの焚火台、キャプテンスタッグの火吹き棒。テーブルは上の写真のとおりシンプルで頑丈な一品。焚き火をするときは火吹きが上手な蒼天さんが火の守りを担当するというから頼もしい。生え抜きのキャンパー? 蒼天さんの将来が楽しみになる。
高校時代をともにすごした仲間6人。
快適キャンプを求めて日山キャンプ場へ!
宮城県から訪れた「石巻レジェンズ」は男子6人組。地元高校の仲間で全員22歳。社会人3人と学生3人、2張のテントで分宿したそうだ。
二本松市を選んだ理由は、「今回の土日、宮城県より福島県のほうが天気よくなりそう…と思って」。高速利用で所要3時間ほどだったという。
最初は市内の別のキャンプ場に泊まろうとしたが、虫が多く、虫が苦手すぎて車から出られないメンバーもいたためキャンセルし、日山キャンプ場へ移動したという。日山に来てみたらほとんど虫がいないので、安心してキャンプに集中できた。そう、「虫が少ない」は日山の自慢だ。何はともあれ、わざわざ石巻から来てくれた皆さんが虫から解放されてめでたし、めでたし。
メンバーの菅野さんはキャンプ歴3年ほど。年に2~3回はテント泊をするという。
「自慢のキャンプギアは?」という質問に、他のメンバーが答えてくれたのは「スノーピークのリビングシェルロングPro.」。4~6人用で約20万円という本格派だ。残念ながら、このときはすでに撤収済みだったため撮影はできなかった。
昨夜のメニューを聞くと、「持ち寄ったもの、途中で買い出ししたものを合わせてテキトーにBBQ。石巻から持ってきたホタテ、ホヤ貝が旨かった」とのこと。二本松市内のスーパーで購入した海鮮のアヒージョにも満足したそう。そして今日のブランチは…というと、定番のホットサンドイッチ。こちらの出来も文句なし! 香ばしい匂いがただよう。
キャンプの楽しみは、「お酒を飲んでおしゃべりすることと(恋バナも少しは出るらしい)、みんなでケータイのゲーム(人狼ゲームなど)をすること」。
最後に石巻レジェンズのキャンプのポリシーを。「泣かない・負けない・逃げ出さない+虫にも負けない!」だそうだ。 高校時代をともにすごしたかけがえのない仲間たち。こうして集まって、旅して遊んで笑い合えるって、なんてステキなことだろう。
今回はペルセウス座流星群を目的に5泊。
「日山キャンプで星空を見ないのはもったいない!」
眺望のよさゆえ日山キャンプ場の人気ナンバー1、2を争うロケーション、上段サイト右端の木陰にゆったりと大きなテントを張り、吹き抜けていく涼風にくつろいでいたのはtakuさんご夫妻。風景としっくり一体化していて、いかにも旅慣れた感がある。なんとも気持ちよさそうで、思わず声をかけてしまった。
「日山キャンプ場の魅力は?」と尋ねると、「この絶景。そして気さくな管理人さん」という答え。
自然のなかでくつろぐにもある種のコツがいるが、takuさんたちは日山に身を委ね、その魅力を十分に堪能しているようにお見受けした。
聞けば、好みのキャンプメシは“流水麵”の蕎麦。「アウトドアでは簡単にすませるほうが好き」というご夫婦だ。なるほど、と納得できる。キャンプメシはカップ麺でも十分おいしいという人もいるが、冷たい蕎麦なら真夏のキャンプにぴったり! 調理や片付けのあわただしさは日頃イヤというほど味わっているし、非日常に身を置くためにわざわざここまでやってきたのだ。キャンプライフをできるかぎりシンプルにしてこそ、大自然に寄り添えるのかもしれない。
そしてtakuさん、日山キャンプの目的は天体観測! 日山は空が広く人工の光が少ないため星が美しい。肉眼で見ても感動するくらいだ。「天体観測の適地」とはよく言われるが、昨年・今年とも夏の週末の天候が安定せず、なかなか満点の星を拝めなかった。星空を目的にやってきたキャンパーさんに出会えて、取材する私たちのほうが感激したくらいだった。
というわけで、takuさんこだわりのギアは天体望遠鏡! 天体観測を始めて2~3年。「キャンプの楽しみは、焚火と天体観測」とのこと。「前に日山に来たときはもっと大きな天体望遠鏡を持参したけれど、今回は天候が不安定だったので小さいほうを持参した」とのこと。とはいえ、堂々たる構えの天体観測ギアはまぶしい。
2022年8月13日はペルセウス座流星群が極大になるということで、「8月11日~13日の夜に日山キャンプ場から天空を見上げれば流星がたくさん見られるぞ!」と期待していたそう。ところが、残念ながら台風が接近したため天候が悪化し、星は見えず。今回は5泊したが、夜になると天気が崩れる日が続いた。なんと残念な!
「日山はこれほど天体観測に適した場所なのに、ここで星空を見ないのはもったいない!」というtakuさんのメッセージは、多くの人にお伝えしたいものだった。
キャンプシーズンたけなわの夏。
夏休みを利用して家族づれの方もたくさん来てくださいましたが、
この夏の日山キャンプはいかがだったでしょうか?
安定した好天の週末が少なく、天候急変にがっかりした方も多かったかもしれません。
みなさんそれぞれ、忘れがたい夏の思い出をつくることができていますように。
ビギナーの方からベテランの方まで安心して楽しんでいただけるよう、
スタッフ一同、引き続きがんばってまいります。
ご不明・ご不安なことなどありましたら管理人にお声かけください。
日山キャンプ場への行き帰りには、「道の駅さくらの郷」や「名目津温泉」にも
お立ち寄りいただければ幸いです。
★『空キャン!2022春』も公開しています。合わせてお読みください★
…..